🧠夢の中の男(This Man)とは?
「この顔を夢で見たことがありますか?」
そんな一言とともに拡散されたモンタージュ画像。
それが“This Man(この男)”である。
2006年頃、ニューヨークの精神科医の元に患者が「夢の中に毎晩、同じ男が出てくる」と告白。
他の患者たちに似顔絵を見せたところ、複数人が「この顔だ」と証言。
以来、この男は世界中の人々の夢に現れているという。
その無表情で不気味な笑みは、世界中のネット掲示板やスピリチュアル・オカルト界隈をざわつかせた。
📖 This Manあらすじ
2006年、アメリカ・ニューヨークのある精神科医のもとに、一人の女性患者がやってきた。
彼女は奇妙な夢を繰り返し見るという。夢の中には、見たこともない、しかし印象的な顔の男が毎回登場する。
その男は彼女に何かを語ることもあれば、ただじっとこちらを見つめているだけの時もあった。
医師は彼女の話を記録し、印象に残っていたその男の顔をスケッチさせた。
そしてある日、まったく別の患者にその似顔絵を見せたところ、驚くべき反応が返ってきた。
「この男…私も夢で会ったことがあるんです」
さらに別の患者も「見たことがある」と証言。
医師はこの男の顔をまとめ、心理学者仲間のネットワークで共有した。
数か月後、世界中から「夢でこの男を見た」という報告が次々に寄せられる。
アメリカ、イタリア、インド、ロシア、南米、そして日本でも――
夢の中に“同じ顔の男”が現れ、不気味に、あるいは静かに何かを伝えようとしていた。
その顔は、妙に無個性で、しかし忘れがたい。
まるで“どこかで見たことがあるような”“世界中の人の記憶に刷り込まれたような”表情だった。
のちにこの話は「フェイクだ」「マーケティングだ」という指摘も出た。
実際に、この都市伝説はイタリアのアーティストが立ち上げたサイト「thisman.org」から広まったとされている。
だが――
“この男を本当に夢で見た”と語る人々は、今も世界中に存在している。
一部では、彼は人類の集合無意識から現れた“原型存在”であり、
またある者は、“夢の世界の管理者”だと語る。
あなたは、この顔を夢で見たことがあるだろうか?
▼元ソース(クリックで表示)
In January 2006 in New York, the patient of a well-known psychiatrist draws the face of a man that has been repeatedly appearing in her dreams. In more than one occasion that man has given her advice on her private life. The woman swears she has never met the man in her life.
That portrait lies forgotten on the psychiatrist’s desk for a few days until one day another patient recognizes that face and says that the man has often visited him in his dreams. He also claims he has never seen that man in his waking life.
The psychiatrist decides to send the portrait to some of his colleagues that have patients with recurrent dreams. Within a few months, four patients recognize the man as a frequent presence in their own dreams. All the patients refer to him as THIS MAN.
From January 2006 until today, at least 2000 8.000 people have claimed they have seen this man in their dreams, in many cities all over the world: Los Angeles, Berlin, Sao Paulo, Tehran, Beijing, Rome, Barcelona, Stockholm, Paris, New Dehli, Moskow etc.
At the moment there is no ascertained relation or common trait among the people that have dreamed of seeing this man. Moreover, no living man has ever been recognized as resembling the man of the portrait by the people who have seen this man in their dreams.
The aim of this website is:
– to help those who have seen this man in their dreams and to foster communication among them;
– to understand who this man is and why he appears in an apparently pattern-less array of situations in the dreams of such diverse human subjects.
📚出典と派生・類似伝承
- 初出:2008年、「thisman.org」という特設サイトで紹介されたのが始まり
- 発案者:イタリア人マーケター、アンドレア・ナッティエラによる“アートプロジェクト”であると判明
- しかしその後も「夢で見た」という報告はSNSや掲示板を中心に後を絶たない
類似伝承
- 都市伝説化した夢の存在:例「夢の階段を降りたら戻れない」「夢泥棒」
- 日本の「夢で見る少女」「夢に現れる老婆」など、“共通夢”の怪談
🎬メディア登場・現代への影響
- ネット掲示板Redditのr/creepyやr/Glitch_in_the_Matrixで定期的に話題に
- YouTubeやTikTokでは「夢でThis Manに会った」シリーズが人気
- 『スレンダーマン』や『バックルーム』など、“集合的無意識から生まれた存在”の元ネタの1つとされることも
映画や『X-ファイル』、『世にも奇妙な物語』といったテレビ番組で取り上げられ、『週刊少年マガジン』でThis Manを元にした漫画が連載された。
🔍考察と文化的背景
This Man現象には2つの大きな解釈がある:
① 集合的無意識から現れた“夢の原型(アーキタイプ)”
心理学者ユングが提唱した「集合的無意識」の理論に基づき、
全人類が共有する“原型”としてThis Manが現れているという説。
→ スピリチュアル視点では、“多次元存在”が人類にメッセージを届けるために共通の姿で現れているとされることも。
② マーケティング発のミームが「後付けで本物になった」
アートとして生まれたが、
・“誰もがどこかで見たような顔”
・“無個性なのに印象的”
という特徴が、後に本当に夢で見る人が現れ始めた。
→ 創作からリアルへの“信念の現実化(エグレゴア化)”とも。
🗺️出現地点
- アメリカ:夢の中でThis Manが「今は動くな」と囁いた
- ロシア:夢の中の街の路地裏で無言で立っていた
- 日本:高校生の女子が夢で助けられた相手がThis Manだった
→ 共通するのは、“言葉少なで何かを伝えようとする態度”と、“夢全体が重く不安定になる雰囲気”。
📎関連リンク・参考資料
- thisman.org(アーカイブ)
- This Man(Wikipedia)
💬編集者コメント・考察
This Manは“作られた都市伝説”の代表格だが、
それが“本当に夢で見た”という報告に変わっていった点に深い謎がある。
人間の意識はイメージと波動に影響されやすく、
誰かが「夢に出る」と言ったものを見てしまうのは、ある種の意識感染とも言える。
もしもあなたがこの顔を夢で見たなら、
それは“何か”があなたにアクセスしようとしているサインかもしれない。
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