🧠幻のラピュタエンディングとは
都市伝説として長年語られている「幻のラピュタエンディング」とは、スタジオジブリの名作『天空の城ラピュタ』(1986年)において、劇場版では描かれていない“追加のラストシーン”が存在していたというものだ。
この都市伝説によると、ラピュタ崩壊後、パズーとシータがドーラ一家と別れたあと、二人がパズーの故郷の炭鉱町に戻る様子が描かれたエンディングが、かつてテレビ放映版で放送されたというのである。
しかし、公式にはこのシーンは存在しないとされており、ファンの“記憶”にしか残っていない、まさに幻のようなエピソードである。
岡田斗司夫によれば宮崎駿が書き下ろしたイメージボードの絵が記憶と結びついてしまってこの都市伝説が発生したのではないかという考察がされている。
📚出典と派生・類似伝承
この噂の発祥は、1980年代後半から1990年代前半にかけてとされている。特に金曜ロードショーでの放映時に見たという証言がネット上で相次ぎ、2ちゃんねるやYahoo!知恵袋、SNSでもたびたび話題となってきた。
関連する派生伝説としては、以下のようなものが挙げられる:
- 『もののけ姫』の“別エンディングが存在した”説
- 『となりのトトロ』の“サツキとメイは死んでいる”説
- 『火垂るの墓』の“清太の生存ルート”説
いずれも、作品の余韻や世界観の深さが、視聴者の記憶や想像力を刺激した結果と考えられる。
🎬メディア登場・現代への影響
この都市伝説は、いくつかのYouTube考察系チャンネルでも取り上げられ、再び注目を集めている
また、ジブリ作品の再放送のたびにTwitter(現X)などで話題になるため、この都市伝説は令和になっても根強く語り継がれている。
🔍考察と文化的背景
この都市伝説の背景には以下のような要因が考えられる:
- ノスタルジー効果:幼少期の記憶は曖昧であり、誤認や記憶の混同が起こりやすい。
- テレビ編集の存在:当時のテレビ局がエンディング後に独自のスライドやナレーションを追加した可能性。
- 作品への没入感:『ラピュタ』は世界観がしっかりと作り込まれており、続きを見たいという感情が“記憶の脚色”を生み出した可能性がある。
- 集合的記憶(クラスター記憶):多くの人が同様の勘違いを共有することにより、“あったこと”のように認識される現象。
これらの要素が合わさり、実際には存在しないシーンが、まるで事実であるかのように流布されたのであろう。
🗺️出現地点
この都市伝説が最も語られる場は、以下のようなメディアとコミュニティである:
YouTubeの考察動画
金曜ロードショーなどのテレビ放送時
2ちゃんねる(現5ch)やTwitter(X)などの匿名掲示板
ジブリファンの個人ブログやまとめサイト
📎関連リンク・参考資料
💬編集者コメント・考察
ジブリ作品の“幻のシーン”系都市伝説の中でも、この『ラピュタ』の別エンディング説は最も知名度が高く、長寿的な噂といえる。
結論として、映像資料や制作資料が一切確認されていないため、実在の可能性は極めて低い。
しかし、逆に言えば、ここまで人々の記憶と想像を刺激したジブリ作品の力こそが、この都市伝説の根幹であり、文化的な価値を持っていると言えるだろう。
都市伝説は、真偽を問うだけでなく、ファン心理や時代背景を映す“鏡”でもあるのだ。
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