🧠バグ技「けつばん」は実験体のなれの果て?とは
『ポケットモンスター 赤・緑・青・ピカチュウ』に存在する謎のポケモン「けつばん」は、通常プレイでは出現せず、特定のバグ技(裏技)を使用することでのみ出現するデータ上の幻のポケモンである。
けつばんは名前・鳴き声・グラフィックなどがバグっており、ステータス画面を開くだけでフリーズしたり、データが壊れたりする危険性のある“禁忌の存在”として知られてきた。
このバグポケモン「けつばん」は、ファンの間で「実験中に生まれたポケモンの失敗作」「データ改変により消された存在」という説が囁かれ、“公式が隠したポケモン000号”という都市伝説として定着していった。
📚出典と派生・類似伝承
初出と広がり:
- けつばんは、ポケモン赤緑発売直後から裏技情報として小学生の間で口コミ的に広まり、その後ポケモンの裏技攻略本にも“名前だけ”が掲載されるようになった。
- ゲーム内部のデータ順で「000番」に配置されており(図鑑No.152)、欠番(けつばん)=データの抜け穴というネーミングも相まって、「未完成のポケモン」「隠された実験体」などの物語が後付けで生まれた。
類似伝承:
- 「マサキの実験体」「ミュウツーを作る過程で生まれた失敗作」など、人工ポケモンに関連する“失敗作伝説”と結びつけられる傾向が強い。
- MissingNo.(ミッシングナンバー)…海外で知られるバグポケモン。けつばんと同種の存在。
- Mブロック、ゴースト(ポケモンタワー)…データ上存在するが使用・取得不能なバグキャラたち。
🎬メディア登場・現代への影響
公式には一切登場しないが、ポケモンホラー系の二次創作やYouTube解説動画では定番のテーマとして取り上げられている。
「けつばん」をテーマにしたホラーゲーム風動画(例:「けつばんにデータを消された」「けつばんの世界に閉じ込められる」)も投稿されている。
海外でも「MissingNo.」と並びCreepypasta系コンテンツで語られる存在として人気が高く、"Pokémon Lost Data Theory"などの仮説シリーズに登場する。
🔍考察と文化的背景
「けつばん=実験体のなれの果て」という説は、以下のような背景があると考えられる。
- 初代ポケモンの開発段階で没データや不完全なポケモンが大量に存在していた事実(公式の開発者インタビューやリークデータからも明らか)
- ゲームの「システムの隙間」に存在するようなキャラが、“バグ”ではなく“排除された存在”と捉えられるオカルト的感覚
- ミュウ・ミュウツーという「人工のポケモン」設定があり、科学の倫理・実験の失敗といったテーマと結びつきやすい構造
このように、「けつばん=人工ポケモンの失敗作」とする物語は、プレイヤーの想像力とゲーム内の未解決要素が交差して生まれた“物語の補完”だと考えられる。
🗺️出現地点
登場作品:『ポケットモンスター 赤・緑・青・ピカチュウ』
出現方法:
- 通称「セレクトバグ」(メニューを開いてアイテムをセレクトで選び、バグらせる方法)
- 一部の「ミッシングナンバー出現方法」の派生でもけつばんに遭遇することがある
- 図鑑No.:000(※通常図鑑には載らないが、データ上で確認可能)
📎関連リンク・参考資料
💬編集者コメント・考察
けつばんは、ゲームの“ミス”でありながら、プレイヤーの間で“意味”を与えられたデジタルゴーストである。
データに過ぎない存在が、そこにストーリーや悲劇的な過去があるかのように扱われる現象は、まさに都市伝説の本質そのものであり、現代の民間伝承とも言える。
子どもの頃に触れた「バグ」が、ただの技術的欠陥ではなく、「なにか消されてしまったものなのではないか?」という想像を掻き立てる。
それは、人間が持つ「見えないものに意味を見出す力」と、ゲームという新しい神話装置の融合である。
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