🧠八尺様とは
八尺様の原型は、2004年ごろに2ちゃんねるのオカルト系スレッドに書き込まれた「実話風怪談」の投稿である。その物語は語り手の少年が田舎に住む祖父母の家を訪れた際、謎の長身の女に目をつけられるというものだった。
当該投稿は非常にリアルかつ緻密に描写されており、読者の恐怖心をかき立てた。その後、様々なスピンオフやパロディ、イラスト化、動画化を経て、ネット都市伝説の定番として地位を確立した。
八尺様の怖さは、「得体の知れない存在がじわじわと迫ってくる」というスロー・ホラーの演出にある。明確に襲ってくるわけではないが、静かに、確実に近づいてくるという設定は、「見えない恐怖」「逃げ場のなさ」といった心理的恐怖を刺激する。
また、彼女は子どもや若者を狙うという設定があり、「田舎にいる祖父母の家」という舞台設定と相まって、どこか懐かしさと恐怖が同居する奇妙な空気感を醸し出している。
八尺様は、日本古来の妖怪や怪談(たとえば「八尺様=高女(たかおんな)」「大女」「夜中に現れる女幽霊」など)と、現代のホラー文化(ネット掲示板、実話風投稿、動画など)のハイブリッドとして位置付けられる存在である。
- 古典的怪異:「姿が見えなくても“気配”だけが迫ってくる」
- 近代的怪異:「追ってくる/逃げられない」「パターン化された脅威」
- ネット文化:「語られることで拡散・強化される」
このように、八尺様は口承(語り継ぎ)とネット文化の交差点に位置する、きわめて現代的な怪談である。
主な特徴
八尺様には、以下のような明確な特徴と行動パターンがある:
- 異常な長身(約240cm)
・名前の由来でもあるが、異様に背が高く、明らかに人間の体型ではない。
・身長の高さゆえに、常に「ポスト」や「門柱」などに腰かけていることが多い。 - 白いワンピースに帽子をかぶっている
・まるで昭和の清楚な女性のような装いであり、逆に不気味さを際立たせている。 - 「ポポポポ…」という低い声で笑う
・この音声が彼女の接近を示す予兆とされる。機械音のような声と表現されることもある。 - 標的を定めて“取り憑く”
・一度目をつけた人間をどこまでも追いかけるとされ、離れた場所からでも接近してくる。 - 結界や御札に弱いが、一時的な防御しかできない
・「お祓い」や「結界」で退けることができるが、根本的な撃退は難しい。
よく語られる遭遇シーン
特に祖父が知っていた/対処法を心得ていたというパターンが多い。
主人公が田舎の祖父母の家を訪れた際に遭遇。
見たら呪われる、話しかけられたら終わり、など「典型的な和風ホラー」の様式を持つ。
📖 八尺様あらすじ
高校生の語り手は、春休みに祖父母の家を訪れた際、庭先で「ぽぽぽ」と奇妙な声を発する異様に背の高い白いワンピースの女性を目撃する。これを聞いた祖父母は驚愕し、「八尺様」が現れたと語る。八尺様は数年に一度現れ、目撃者を数日以内に取り殺すという怪異で、村に封印されていた存在だった。
語り手は護符や盛り塩、仏像に守られた部屋で一夜を過ごすが、深夜に八尺様が現れ窓を叩き、部屋の外から声をかけてくる。なんとか耐え抜いた語り手は翌朝、複数人の家族と共に儀式的な護送を受けて村を離れる。道中でも八尺様が現れるが、皆の念仏と結界でなんとか撃退する。
祖父は、これが代々伝わる命がけの守りの儀式であり、最悪の場合は自分か父親が犠牲になる覚悟だったと語る。以来、語り手はその地には二度と近づいていない。
908 :1/9:2008/08/26(火) 09:45:56 ID:VFtYjtRn0
親父の実家は、自宅から車で二時間弱くらいのところにある。
農家なんだけど、何かそういった雰囲気が好きで、高校になってバイクに乗るようになると、夏休みとか冬休みなんかにはよく一人で遊びに行ってた。
じいちゃんとばあちゃんも「よく来てくれた」と喜んで迎えてくれたしね。
でも最後に行ったのが高校三年にあがる直前だから、もう十年以上も行っていないことになる。
決して『行かなかった』んじゃなくて『行けなかった』んだけど、その訳はこんなことだ。春休みに入ったばかりのこと、いい天気に誘われてじいちゃんの家にバイクで行った。
まだ寒かったけど広縁はぽかぽかと気持ちよく、そこでしばらく寛いでいた。
そうしたら、
「ぽぽ、ぽぽっぽ、ぽ、ぽっ…」
と、変な音が聞こえてきた。
機械的な音じゃなくて、人が発してるような感じがした。
それも、濁音とも半濁音ともどちらにも取れるような感じだった。
何だろうと思っていると、庭の生垣の上に帽子があるのを見つけた。
生垣の上に置いてあったわけじゃない。
帽子はそのまま横に移動し、垣根の切れ目まで来ると一人女性が見えた。
まあ帽子は、その女性が被っていたわけだ。
女性は白っぽいワンピースを着ていた。
でも、生垣の高さは二メートルくらいある。
その生垣から頭を出せるって、どれだけ背の高い女なんだ…
驚いていると、女はまた移動して視界から消えた。帽子も消えていた。
また、いつのまにか「ぽぽぽ」という音も無くなっていた。909 :2/9:2008/08/26(火) 09:46:59 ID:VFtYjtRn0
そのときは、もともと背が高い女が超厚底のブーツを履いていたか、踵の高い靴を履いた背の高い男が女装したか、くらいにしか思わなかった。その後、居間でお茶を飲みながら、じいちゃんとばあちゃんにさっきのことを話した。
「さっき、大きな女を見たよ。男が女装してたのかなあ」と言っても、「へぇ~」くらいしか言わなかったけど、「垣根より背が高かった。帽子を被っていて、『ぽぽぽ』とか変な声出してたし」と言ったとたん、二人の動きが止ったんだよね。
いや、本当にぴたりと止った。
その後、「いつ見た」「どこで見た」「垣根よりどのくらい高かった」と、じいちゃんが怒ったような顔で質問を浴びせてきた。
じいちゃんの気迫に押されながらもそれに答えると急に黙り込んで、廊下にある電話まで行きどこかに電話をかけだした。
引き戸が閉じられていたため何を話しているのかは良く分からなかった。
ばあちゃんは心なしか震えているように見えた。
じいちゃんは電話を終えたのか戻ってくると、「今日は泊まっていけ。いや、今日は帰すわけには行かなくなった」と言った。
――何かとんでもなく悪いことをしてしまったんだろうか。
と必死に考えたが何も思い当たらない。
あの女だって、自分から見に行ったわけじゃなく、あちらから現れたわけだし。
そして、「ばあさん、後頼む。俺はKさんを迎えに行って来る」と言い残し、軽トラックでどこかに出かけて行った。910 :3/9:2008/08/26(火) 09:48:03 ID:VFtYjtRn0
ばあちゃんに恐る恐る尋ねてみると、
「八尺様に魅入られてしまったようだよ。じいちゃんが何とかしてくれる。何にも心配しなくていいから」
と震えた声で言った。それからばあちゃんは、じいちゃんが戻って来るまでぽつりぽつりと話してくれた。
この辺りには『八尺様』という厄介なものがいる。
八尺様は大きな女の姿をしている。
名前の通り八尺ほどの背丈があり、『ぼぼぼぼ』と男のような声で変な笑い方をする。
人によって喪服を着た若い女だったり、留袖の老婆だったり、野良着姿の年増だったりと見え方が違うが、女性で異常に背が高いことと、頭に何か載せていること、それに気味悪い笑い声は共通している。
昔、旅人に憑いて来たという噂もあるが、定かではない。
この地区(今は○市の一部であるが、昔は×村。今で言う「大字」にあたる区分)に地蔵によって封印されていて、よそへは行くことが無い。
八尺様に魅入られると、数日のうちに取り殺されてしまう。
最後に八尺様の被害が出たのは十五年ほど前。これは後から聞いたことではあるが、地蔵によって封印されているというのは、八尺様がよそへ移動できる道というのは理由は分からないが限られていて、その道の村境に地蔵を祀ったそうだ。
八尺様の移動を防ぐためだが、それは東西南北の境界に全部で四ヶ所あるらしい。
もっとも何でそんなものを留めておくことになったかというと、周辺の村と何らかの協定があったらしい。
例えば、水利権を優先するとか。
八尺様の被害は数年から十数年に一度くらいなので、昔の人はそこそこ有利な協定を結べれば良しと思ったのだろうか。911 :4/9:2008/08/26(火) 09:49:15 ID:VFtYjtRn0
そんなことを聞いても全然リアルに思えなかった。当然だよね。
そのうちじいちゃんが一人の老婆を連れて戻ってきた。
「えらいことになったのう。今はこれを持ってなさい」
Kさんという老婆はそう言って、お札をくれた。
それからじいちゃんと一緒に二階へ上がり、何やらやっていた。
ばあちゃんはそのまま一緒にいて、トイレに行くときも付いてきて、トイレのドアを完全に閉めさせてくれなかった。
ここにきてはじめて、「なんだかヤバイんじゃ…」と思うようになってきた。しばらくして二階に上がらされ、一室に入れられた。
そこは窓が全部新聞紙で目張りされ、その上にお札が貼られており、四隅には盛塩が置かれていた。
また、木でできた箱状のものがあり(祭壇などと呼べるものではない)、その上に小さな仏像が乗っていた。
あと、どこから持ってきたのか、『おまる』が二つも用意されていた。
これで用を済ませろってことか…
「もうすぐ日が暮れる。いいか、明日の朝までここから出てはいかん。
俺もばあさんもな、お前を呼ぶこともなければ、お前に話しかけることもない。
そうだな、明日朝の七時になるまでは絶対ここから出るな。
七時になったらお前から出ろ。家には連絡しておく」
と、じいちゃんが真顔で言うものだから、黙って頷く以外なかった。
「今言われたことは良く守りなさい。お札も肌身離さずな。何かおきたら仏様の前でお願いしなさい」
と、Kさんにも言われた。912 :5/9:2008/08/26(火) 09:50:22 ID:VFtYjtRn0
テレビは見てもいいと言われていたので点けたが、見ていても上の空で気も紛れない。
部屋に閉じ込められるときに、ばあちゃんがくれたおにぎりやお菓子も食べる気が全くおこらず、放置したまま布団に包まってひたすらガクブルしていた。そんな状態でもいつのまにか眠っていたようで、目が覚めたときには何だか忘れたが深夜番組が映っていて、自分の時計を見たら午前一時すぎだった。(この頃は携帯を持ってなかった)
なんか嫌な時間に起きたなあなんて思っていると、窓ガラスをコツコツと叩く音が聞こえた。
小石なんかをぶつけているんじゃなくて、手で軽く叩くような音だったと思う。
風のせいでそんな音がでているのか、誰かが本当に叩いているのかは判断がつかなかったが、必死に風のせいだと思い込もうとした。
落ち着こうとお茶を一口飲んだがやっぱり怖くて、テレビの音を大きくして無理やりテレビを見ていた。そんなとき、じいちゃんの声が聞こえた。
「おーい、大丈夫か。怖けりゃ無理せんでいいぞ」
思わずドアに近づいたが、じいちゃんの言葉をすぐに思い出した。
また声がする。
「どうした、こっちに来てもええぞ」
じいちゃんの声に限りなく似ているけど、あれはじいちゃんの声じゃない。
どうしてか分からんけどそんな気がして、そしてそう思ったと同時に全身に鳥肌が立った。
ふと隅の盛り塩を見ると、それは上のほうが黒く変色していた。913 :本当にあった怖い名無し:2008/08/26(火) 09:51:23 ID:VFtYjtRn0
一目散に仏像の前に座ると、お札を握り締め「助けてください」と必死にお祈りをはじめた。
そのとき、
「ぽぽっぽ、ぽ、ぽぽ…」
あの声が聞こえ、窓ガラスがトントン、トントンと鳴り出した。
そこまで背が高くないことは分かっていたが、アレが下から手を伸ばして窓ガラスを叩いている光景が浮かんで仕方が無かった。
もうできることは仏像に祈ることだけだった。とてつもなく長い一夜に感じたがそれでも朝は来るもので、つけっぱなしのテレビがいつの間にか朝のニュースをやっていた。
画面隅に表示される時間は、確か七時十三分となっていた。
ガラスを叩く音もあの声も気づかないうちに止んでいた。
どうやら眠ってしまったか、気を失ってしまったかしたらしい。
盛り塩はさらに黒く変色していた。
念のため自分の時計を見たところほぼ同じ時刻だったので、恐る恐るドアを開けると、そこには心配そうな顔をしたばあちゃんとKさんがいた。
ばあちゃんが「よかった、よかった」と涙を流してくれた。
下に降りると親父も来ていた。
じいちゃんが外から顔を出して「早く車に乗れ」と促し、庭に出てみると、どこから持ってきたのかワンボックスのバンが一台あった。
そして庭に何人かの男たちがいた。914 :7/9:2008/08/26(火) 09:52:24 ID:VFtYjtRn0
ワンボックスは九人乗りで、中列の真ん中に座らされ、助手席にKさんが座り、庭にいた男たちもすべて乗り込んだ。
全部で九人が乗り込んでおり、八方すべてを囲まれた形になった。
「大変なことになったな。気になるかもしれないが、これからは目を閉じて下を向いていろ。
俺たちには何も見えんが、お前には見えてしまうだろうからな。
いいと言うまで、我慢して目を開けるなよ」
右隣に座った五十歳くらいのオジさんがそう言った。
そして、じいちゃんの運転する軽トラが先頭、次が自分が乗っているバン、後に親父が運転する乗用車、という車列で走り出した。
車列はかなりゆっくりとしたスピードで進んだ。
おそらく二十キロも出ていなかったんじゃあるまいか。間もなくKさんが「ここがふんばりどころだ」と呟くと、何やら念仏のようなものを唱え始めた。
「ぽっぽぽ、ぽ、ぽっ、ぽぽぽ…」
またあの声が聞こえてきた。
Kさんからもらったお札を握り締め、言われたとおりに目を閉じ下を向いていたが、なぜか薄目をあけて外を少しだけ見てしまった。
目に入ったのは白っぽいワンピース。それが車に合わせ移動していた。
あの大股で付いてきているのか。
頭はウインドウの外にあって見えない。
しかし、車内を覗き込もうとしたのか、頭を下げる仕草を始めた。
無意識に「ヒッ」と声を出す。
「見るな」と隣が声を荒げる。
慌てて目をぎゅっとつぶり、さらに強くお札を握り締めた。915 :8/9:2008/08/26(火) 09:53:50 ID:VFtYjtRn0
コツ、コツ、コツ
ガラスを叩く音が始まる。
周りに乗っている人も、短く「エッ」とか「ンン」とか声を出す。
アレは見えなくても声は聞こえなくても、音は聞こえてしまうようだ。
Kさんの念仏に力が入る。やがて声と音が途切れたと思ったとき、Kさんが「うまく抜けた」と声をあげた。
それまで黙っていた周りを囲む男たちも、「よかったなあ」と安堵の声を出した。やがて車は道の広い所で止り、親父の車に移された。
親父とじいちゃんが他の男たちに頭を下げているとき、Kさんが「お札を見せてみろ」と近寄ってきた。
無意識にまだ握り締めていたお札を見ると、全体が黒っぽくなっていた。
Kさんは「もう大丈夫だと思うがな、念のためしばらくの間はこれを持っていなさい」と、新しいお札をくれた。その後は親父と二人で自宅へ戻った。
バイクは後日じいちゃんと近所の人が届けてくれた。
親父も八尺様のことは知っていたようで、子供の頃、友達のひとりが魅入られて命を落としたということを話してくれた。
魅入られたため他の土地に移った人も知っているという。
バンに乗った男たちはすべてじいちゃんの一族に関係がある人で、つまりは極々薄いながらも自分と血縁関係にある人たちだそうだ。
前を走ったじいちゃん、後ろを走った親父も当然血のつながりはあるわけで、少しでも八尺様の目をごまかそうとあのようなことをしたという。
親父の兄弟(伯父)は一晩でこちらに来られなかったため、血縁は薄くてもすぐに集まる人に来てもらったようだ。916 :9/9:2008/08/26(火) 09:54:54 ID:VFtYjtRn0
それでも流石に七人もの男が今の今というわけにはいかなく、また夜より昼のほうが安全と思われたため、一晩部屋に閉じ込められたのである。
道中、最悪ならじいちゃんか親父が身代わりになる覚悟だったとか。
そして、先に書いたようなことを説明され、「もうあそこには行かないように」と念を押された。家に戻ってからじいちゃんと電話で話したとき、「あの夜に声をかけたか」と聞いたが、そんなことはしていないと断言された。
――やっぱりあれは…と思ったら、改めて背筋が寒くなった。
八尺様の被害には成人前の若い人間、それも子供が遭うことが多いということだ。
まだ子供や若年の人間が極度の不安な状態にあるとき、身内の声であのようなことを言われれば、つい心を許してしまうのだろう。それから十年経って、あのことも忘れがちになったとき、洒落にならない後日談ができてしまった。
「八尺様を封じている地蔵様が誰かに壊されてしまった。それも、お前の家に通じる道のものがな」
と、ばあちゃんから電話があった。
(じいちゃんは二年前に亡くなっていて、当然ながら葬式にも行かせてもらえなかった。
じいちゃんも起き上がれなくなってからは、絶対来させるなと言っていたという)今となっては迷信だろうと自分に言い聞かせつつも、かなり心配な自分がいる。
「ぽぽぽ…」という、あの声が聞こえてきたらと思うと…
📚出典と派生・類似伝承
- 初出:死ぬほど洒落にならない怖い話を集めてみない?196
- 派生版:漫画『ダンダダン』での描写(カシマレイコ=(都市伝説カシマレイコ+八尺様+口裂け女)、漫画『裏世界ピクニック』八尺様リバイバルなど
- 類似存在:高身長女性の妖怪(日本:高女(鳥山石燕著の妖怪画集『画図百鬼夜行』に記載される下半身を長く伸ばした女の妖怪)。海外:スレンダーマン(2009年にサムシング・オーフル・フォーラムにおいて利用者エリック・クヌーゼン(英: Eric Knudsen:別名・ビクター・サージ (英: Victor Surge))が創り出したインターネットミームから生まれた架空(フィクション)のキャラクター))
🎬メディア登場・現代への影響
- 漫画:
- 『ダンダダン』に八尺様モチーフのキャラが登場(カシマレイコ)

- 『裏世界ピクニック』八尺様リバイバルにて登場


- YouTube:
🔍考察と文化的背景
① 「大きな女性」という異形性
- 八尺様の最大の特徴は**「2メートルを超える高身長の女性」**であること。
- 通常、日本の怪異・妖怪の多くは「小さな女の子」や「老婆」など、非力な存在に見える姿で登場し、そのギャップで恐怖を誘う。
- 一方で八尺様は「明確に異形であり、物理的に脅威的な存在」。
- これは視覚的な不気味さ(アンキャニーバレー効果)を強く喚起する。
- 特に日本の社会では、長身の女性が少ないため、「人間としての範疇を超えた異質な存在」として本能的な違和感を覚える。
② 「声の恐怖」:ぽぽぽという音
- 「ぽぽぽ」という音には意味がなく、理解不能なまま繰り返される。
- これは言語によるコミュニケーションの断絶を象徴する。
- 不条理な存在との接触、そしてそれに対して何もできない人間の無力感を表している。
- またこの音はどこか間の抜けた可笑しさも含んでおり、怖さとユーモアの紙一重という、日本怪談特有のバランス感覚も見られる。
③ 封印と結界:地蔵による防衛
- 村の四方に配置された地蔵によって八尺様が封じられているという設定は、日本の結界信仰や村落の鎮守観を反映している。
- これは「外(異界)」からの脅威を、「内(村の共同体)」が結束して守るという構造。
- 封印が解けると災いが起こるというのは、日本の民話や神話でも繰り返されるモチーフ。
- 封印を破るきっかけが「若者の無意識的な行動」である点も、現代と伝統の断絶・世代間の感覚のズレを示している。
④ 思春期と性の象徴
- 高校3年直前の少年が、白いワンピースの女性に魅入られるという設定。
- 白ワンピ=純粋さ・処女性の象徴 → それが巨大化・怪異化することで「性への恐れ」が表現されている。
- 「怖いけど見たい」「惹かれるけど逃げなければいけない」――そうした思春期の性の二面性が八尺様に投影されているという解釈も可能。
⑤ 家族と血縁の結束
- クライマックスで祖父・父・親族たちが集まり、「若者を守るために命をかける」。
- これは日本的な血縁共同体の美徳の強調。
- ただし現代の読者から見ると、古風で閉鎖的にも映るため、伝統的価値観への懐疑や不安も内包している。
⑥ 見てはいけないものを見た代償
- 八尺様の物語は、「禁忌」に触れてしまったことへの罰という古典的構造を持つ。
- 民間伝承にしばしば登場する「見るな」「聞くな」「入るな」への違反による災いと共通。
- 日本における「畏れ(おそれ)」の精神、つまり理解できないもの・未知のものに対する謙虚な姿勢が色濃く反映されている。
🗺️出現地点
八尺様の起源とされる場所
八尺様の起源の場所については、幾つか仮説が存在している。あくまで仮説であり根拠は見当たらない。
📎関連リンク・参考資料
洒落怖まとめサイトリンク:死ぬほど洒落にならない怖い話を集めてみない?196
YouTube動画:YouTubeで八尺様を検索
漫画・映画の引用元:
『ダンダダン』
『裏世界ピクニック』
💬編集者コメント・備考
八尺様は、
- 視覚的な異形(高身長女性)
- 意味不明な音声(ぽぽぽ)
- 伝統と現代の断絶
- 家族共同体による守護
- 禁忌と結界の物語構造
という要素が合わさり、現代日本における恐怖の原型の一つを成している。
また、ネット掲示板発祥の怪談でありながら、地域伝承・民話・都市伝説のハイブリッドとして、極めて完成度の高い構造を持つため、今日では“現代の妖怪”とさえ呼べる存在となっている。
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