🧠ナウシカたちは人造人間だったとは
『風の谷のナウシカ』の舞台は、人類文明が崩壊した遥か未来。腐海と呼ばれる有毒な森が広がり、人類はわずかな「清浄な土地」で生きながらえている。映画ではその全貌は語られないが、原作漫画では、ナウシカたち人類が実は人工的に創られた存在=人造人間であることが示唆されている。
📚出典と派生・類似伝承
出典:原作漫画『風の谷のナウシカ』第6~7巻
類似設定の作品:
- 『シドニアの騎士』(弐瓶勉)…遺伝子操作された人類
- 『ニーア オートマタ』…自らの出自に葛藤するアンドロイド
- 『ブレードランナー』…人間と人工生命の定義を問う
🎬メディア登場・現代への影響
映画では「火の7日間」によって崩壊した文明と、毒に満ちた世界の描写こそされるが、ナウシカたちが“本来の人類ではない”という事実は描かれない。
しかし原作後半、かつての人類=旧人類が遺した“墓所”において、人工的に設計された人類の出自が明かされる。
衝撃の設定:
- ナウシカたち新たな人類は、汚染された環境でしか生きられないように作られていた
- 本来の人類(旧人類)は腐海によって大気と土壌が浄化された後、蘇る予定だった
- 新人類は「浄化後の世界では死ぬ運命」にある
これはまさに世界再生のための“つなぎ”として創られた種族であることを意味している。
🔍考察と文化的背景
この設定は、ただのSFでは終わらない。
ナウシカたちは「生きることに理由がない存在」として遺伝的に設計され、世界が浄化されれば滅びる“消耗品”だった――。これは、現実社会における労働者階級や使い捨ての社会構造への批判として読むこともできる。
また、「腐海を恐れる感情」は、生き延びられない未来を本能的に察知しているからとも読み解ける。このような本能と理性の葛藤こそが、宮崎駿が描きたかった「人間らしさ」の核心なのかもしれない。
🗺️出現地点
- 墓所のある秘境
- 土鬼(ドルク)との戦争とその後の展開で、ナウシカが“墓所の主”と対峙する場面で明かされる
📎関連リンク・参考資料
- スタジオジブリ 公式サイト
- ciatr『ナウシカの都市伝説まとめ』
- 『出発点 1979〜1996』(徳間書店、ISBN: 4198604032)
- 風の谷のナウシカ(Wikipedia)
💬編集者コメント・考察
この設定を知ったときの衝撃は大きく、映画だけを見ていた人にとってはまさに都市伝説レベルの真実といえるだろう。
ナウシカたちは「旧人類の夢のために作られた人工の命」だが、その命の意味や尊厳をナウシカ自身が問い直し、戦うという構図が、原作後半の最大の山場となっている。
この話を知ってから映画を見ると、「彼女が命を懸けて救おうとした“人類”とは何だったのか」がまったく違って見えてくるはずだ。
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