都市伝説 陰謀論

アングロサクソン・ミッション|パンデミックと戦争を巡る“世界再編”の計画書

🧠アングロサクソン・ミッションとは

「アングロサクソン・ミッション(The Anglo-Saxon Mission)」とは、2005年に陰謀論系インタビューサイト「Project Camelot(プロジェクト・キャメロット)」にてリークされたとされる都市伝説である。これは、欧米(特にイギリス・アメリカ)を中心とするアングロサクソン系エリートたちが、新世界秩序(NWO)を構築するために極秘裏に進めているとされる世界規模の計画を指す。

内部告発者は、2005年にロンドンのフリーメイソンの上級会員が集まる秘密会議に出席した。
この会議には、政治家や軍関係者など、影響力のある人物が参加していた。
会議では、以下のような世界的な計画が議論された。

  • 中国の台頭を抑えるために、意図的にパンデミック(生物兵器)を流行させる
  • 中東地域を不安定化させ、イスラエルを含む戦争を誘発する
  • 第三次世界大戦を引き起こし、人口削減を達成する
  • 最終的にアングロサクソン系国家(英米)が主導する世界政府を樹立する

この計画を告発したとされる人物は、英国軍の元情報関係者であり、彼の証言はインタビュー形式で録画され、YouTubeなどで拡散された。

🧬 計画の概要(詳細解説)

「アングロサクソン・ミッション」によると、計画は複数の段階に分けられており、すべてが連鎖的かつ戦略的に設計されている。以下にその詳細を示す。

1. 中国封じ込めのための生物兵器使用

最初の段階では、中国の急速な経済・軍事的台頭を世界支配層が「脅威」と見なしており、これを抑制する必要があるという論理が提示されていた。そのための手段として、生物兵器(パンデミック)を用いるという案が挙げられた。

  • 目的:中国の人口と社会システムを混乱させ、経済発展を減速させる。
  • 方法:人工的に作られたウイルスを、予測不能な形で流行させる。ウイルスの出所が自然由来であるように偽装することで、攻撃をカモフラージュする。
  • 副次的効果:他国も一定の影響を受けるが、それは想定済みであり、むしろグローバルな統制強化の口実となる。

2. 中東の意図的な destabilization(不安定化)

次なる段階として、中東を意図的に不安定化させるシナリオが語られていた。イスラエルによるイラン攻撃が引き金となり、より広範な戦争へと拡大していくことが計画されていた。

  • 目的:中東における地政学的均衡を崩壊させ、イスラエルとイスラム諸国、特にイラン、中国との対立を深める。
  • 方法:イスラエルによる核施設への先制攻撃をきっかけに、イランが報復。その報復に対し、NATOあるいは米国が介入。これに中国とロシアが地政学的・軍事的に関与する。
  • 結果:中東は壊滅的な混乱に陥り、エネルギー供給が断たれることで、世界経済にも大きなダメージを与える。加えて、宗教・民族対立が過激化し、世界的な安全保障環境が悪化する。

3. 第三次世界大戦と人口削減計画

中東の混乱が広がることで、次に来るのが意図的に仕組まれた「第三次世界大戦」である。これは限定的な地域紛争ではなく、核兵器も視野に入れた大規模な衝突として構想されていた。

  • 目的:世界人口の削減。地球環境や資源を維持するには、人口削減が「避けられない」とするエリートの思想に基づく。
  • 手段:局地的核戦争、大量難民の発生、飢餓、疫病、政治的混乱などの手段を複合的に使用。
  • 影響範囲:とくに「非西洋圏(アジア、中東、アフリカ)」が壊滅的被害を受けるとされ、西側(アングロサクソン系国家)は一定の備えにより生存する設計になっていた。

4. アングロサクソン国家による新世界秩序の樹立

第三次世界大戦によって世界が混乱と疲弊に陥った後、アングロサクソン系国家(英国・アメリカ・カナダ・オーストラリアなど)を中心としたグループが、「新たな秩序」を提案・構築するとされていた。

  • 世界政府構想:従来の国家主権を弱め、単一の統治機構を導入する。市民はIDやワクチンパスポートなどで管理される。
  • 経済システムの再編:ドル基軸体制を温存しつつ、中央銀行制度を強化。暗号資産的な通貨による世界的な電子管理体制の導入。
  • 思想と教育の再設計:戦後処理の一環として、思想・宗教・教育の「リセット」が行われ、新たな価値体系が世界規模で定着させられる。
  • 監視社会の実装:あらゆる国民の行動・思想をAI・ビッグデータで把握し、反抗的な要素を早期に排除する体制が敷かれる。

🧩 予言と偶然の境界線

この都市伝説で語られる出来事の中には、実際に現実と一致するものもあるが、それらが予言であったのか、単なる偶然であったのかは議論の余地がある。

例えば、COVID-19のパンデミックや中東情勢の緊張などは、ある程度予測可能な事象であり、陰謀論的な解釈が後付けでなされている可能性もある。

🔍 パンデミックの予測やシミュレーション事例
1. Event 201(2019年10月開催)
  • 主催:ジョンズ・ホプキンズ大学、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、世界経済フォーラム(WEF)
  • 内容:架空の「コロナウイルス」によるパンデミック発生を想定した模擬演習
  • 結果:世界各国の政府、メディア、企業がどのように対応するかを討論
  • 注目点:演習時期がCOVID-19流行のわずか2ヶ月前であったため、「予言的だ」との声が上がった
2. ジョンソン・エンド・ジョンソンを含む製薬企業の備え
  • 多くの大手製薬企業はSARS、MERS、エボラの流行を受けて、将来のコロナウイルス系のパンデミックを懸念していた
  • 一部の研究者は「未知のウイルス=Disease X」の流行をWHO公式に警告
3. ビル・ゲイツのTEDトーク(2015年)
  • タイトル:「次に人類を脅かすのは核戦争ではなく、感染症だ」
  • 内容:パンデミックのリスクと、各国の医療体制・備えの不足を指摘
  • 多くの陰謀論では、この発言が「COVID-19を予見していた」とされる

📚出典と派生・類似伝承

出典元

類似・派生する陰謀論

COVID-19人工説:新型コロナウイルスは研究所から流出した生物兵器という説と結びつけられることが多い。

新世界秩序(NWO)論:少数のエリートが世界統一政府を築くという主張。

ジョージア・ガイドストーンの人口削減計画:世界人口を5億人に制限すべきとする石碑の存在が物議を醸した。

ビル・ゲイツのワクチン陰謀論:ワクチンを通じて人口管理を行う計画があるとする説。

🎬メディア登場・現代への影響

この都市伝説は、YouTubeやReddit、X(旧Twitter)などのオンラインプラットフォームで陰謀論系インフルエンサーによって紹介され、特にCOVID-19パンデミック発生以降に再び脚光を浴びた

以下のようなメディアとの関連が見られる:

書籍:陰謀論系の書籍(ディビッド・アイクなど)で本計画に類似する内容が紹介されている関心が高いことから、陰謀論系インフルエンサーの定番ネタになっている。

YouTube:「The Anglo-Saxon Mission」と検索すると数多くの解説動画が存在

Netflix系ドキュメンタリーなどで、NWOやパンデミック陰謀論が語られる文脈で言及されることがある

🔍考察と文化的背景

この陰謀論は、冷戦後の世界秩序の変化と、アングロサクソン系国家の相対的衰退という21世紀的な不安を反映していると考えられる。

また、COVID-19のような世界規模の危機に直面した際に、「これは仕組まれていたことではないか?」というナラティブが広がりやすい土壌もある。特に、以下の文化的背景が影響している:

  • 「見えない敵」への不安感:ウイルスやエリート集団のような不可視の存在に対する恐怖
  • デジタル時代の情報過多:裏付けのない情報がバイラルになりやすい
  • 宗教的・終末論的な思想との親和性:終末が近いと信じる層にとっては「証拠」として受け入れやすい

🗺️出現地点

この都市伝説が登場した地理的背景は以下の通り:

  • 中国・中東(ターゲットとされる地域)
  • イギリス(出典者の国籍)
  • アメリカ(支配層の中心とされる)

📎関連リンク・参考資料

💬編集者コメント・考察

アングロサクソン・ミッションは、壮大な物語性とともに、21世紀の不安と疑念を象徴する陰謀論である。パンデミックや地政学リスクが高まるたびにこの話題が蒸し返されるのは、それが単なるフェイクではなく「現代の神話」としての機能を果たしているからだろう。

一方で、信ぴょう性の根拠はきわめて希薄であり、情報の受け手側には批判的思考が求められる。とはいえ、このような話題が再燃する社会的背景にこそ、現代人が抱える漠然とした不安や不信感の根源が見えるのかもしれない。

「アングロサクソン・ミッション」は、現代社会の不安や懸念を反映した都市伝説であり、陰謀論の一例として興味深い。

しかし、その内容を鵜呑みにするのではなく、情報の出所や背景を冷静に分析し、事実とフィクションを見極める姿勢が重要である。

また、このような都市伝説が広まる背景には、社会的な不安や情報への不信感があることを認識し、健全な情報リテラシーを持つことが求められる。

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