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くねくねの正体とは|見てはいけない存在の真実と噂の真相

2025年5月5日

🧠くねくねとは?

「くねくね」とは、2000年代初頭に日本のインターネット掲示板「2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)」で登場したネット発の都市伝説・怪異存在である。田舎の田んぼや川辺など、のどかな農村風景の中に、不自然な動きをする白い人型の“何か”が現れるという怪談であり、視認した人間は精神に異常をきたすとされている。

この「くねくね」は、実体のある霊体や怪物ではなく、「視覚によって“狂気”を伝播させる存在」という点が特徴的で、クトゥルフ神話的な“見てはいけない存在”の要素も併せ持つ。

くねくねの最初の登場は、2003年ごろの2ちゃんねるオカルト板に投稿された「実話怪談風の書き込み」である。
内容は、お盆の時期に家族と帰省した投稿者が、田舎の田んぼの真ん中で「異様にくねくねと動く白い人影」を目撃し、祖父母に「あれは絶対に見てはいけない」と制止されるというものである。

見続けてしまった兄は精神に異常をきたし、「あれは人間じゃない、人間じゃない」と繰り返しながら精神病院に収容されてしまう、という後味の悪い結末が語られる。

くねくねの本質的な怖さは、「得体の知れないものに遭遇する恐怖」と、「知覚によって破滅する」という知的恐怖にある。
従来の幽霊や妖怪が“害を加える”存在だったのに対し、くねくねは“見ただけで壊れる”という、より現代的なホラー的要素を持っている。

この構造は、H.P.ラヴクラフトの「クトゥルフ神話」などの影響も感じられるが、日本的な農村風景と融合したことにより独自の空気感を獲得した。

くねくねの特徴

くねくねの外見は曖昧であるが、投稿や派生作品に共通する特徴として、以下が挙げられる:

  • 異常に“くねくね”と揺れ動く白い人型
     ・遠目では布か何かが風に揺れているように見えるが、近づくと人のような形をしている
     ・動きがあまりに不自然で、まるで「生き物ではないもの」が生き物のフリをしているかのよう
  • 田んぼ・川辺・農村の真昼間に出現する
     ・夜ではなく昼間、それも青空の下で遭遇することが多い
     ・「恐怖の非日常」が「日常」に侵入してくる演出が不気味さを倍加させる
  • “見てしまうと狂う”存在
     ・視認した人間は精神に異常をきたす。知ろうとする者に災いが起きる
     ・くねくねの正体を理解してはいけない、という“知の禁忌”を含んでいる

🕒 タイムラインで振り返る「くねくね」の噂

年代出来事
2003年2ちゃんねる「洒落にならない怖い話」スレに初登場。話題に。
2004年以降派生話が増加し、「白い」「揺れる」「見てはならない」が定番化。
2010年代オカルト系まとめ・怪談朗読で広がり、YouTubeなどでも拡散。
2020年代『裏世界ピクニック』『ダンダダン』などサブカルチャー作品でオマージュ的登場が進む。

🧩 くねくねの正体に関する考察(仮説)

くねくねの正体については、ネット上でも様々な仮説が提示されている

仮説内容
未確認生物説(UMA)遠目で見ると生物のようにも見える存在
高次元存在説人間の知覚では理解不能な異次元的存在
人工物説ビニールや案山子などを“そう見た”だけという錯視説
集団幻覚・都市伝説生成装置説「見るな」と言われることで想像力が暴走する現象
旧時代の妖怪の再構築説昔話の“見てはいけないもの”(例:見越し入道)と通底する

📚出典と派生・類似伝承

最初の投稿は「洒落にならない怖い話」スレ(2003年頃)。「田んぼの中に白いものが揺れていた」「弟が見たあと壊れた」という内容。

類似伝承・影響を受けた存在

名前共通点
八尺様(やしゃくさま)白い服の巨大女性、見た者を呪う。見てはいけない存在。
口裂け女正体不明・出現場所に法則性・視認が災いを招くという点で類似。
しろなりさま(茨城県)白い神様のような存在。見てはいけないとされる。
アメリカの「スレンダーマン」細長く不気味な人型。精神影響を与えるという点で共通。
山の牧場(実話怪談)見ることで精神異常が起こる不明存在との遭遇。

🎬メディア登場・現代への影響

『裏世界ピクニック』(2021)

  • 現代のネット怪談を題材にした異世界冒険系SF作品。第1話から「くねくね」そっくりの存在が登場し、「見た者の思考を侵す存在」として描かれています。視覚化された“くねくね”の脅威を表現した数少ないメディアの1つ。

『ダンダダン』(龍幸伸)

  • 幽霊・宇宙人・都市伝説が混ざり合うバトル系漫画。物理法則を無視して動く怪異や、「視認による干渉」という概念が登場し、“見てはいけない系怪異”へのオマージュが多い。「くねくね」直接の登場はないが、作中の怪異「邪視」との関連が強い。

🔍考察と文化的背景

「くねくね」は、“見てはならない存在”という禁忌のルールが強く印象に残る都市伝説である。このルールには、日本の民間信仰や宗教観が色濃く反映されている。

主な文化的要素:

  • 穢れと不可視の存在
    → 「見ることで穢れる」「知ってしまうことで影響を受ける」という感覚は、古くからの神道や土着信仰と重なる。
  • 農村風景との結びつき
    → 多くの目撃談が「田んぼ」「山あい」「川辺」など、自然豊かな場所である点は、現代人の“知らない田舎”への恐怖感を刺激する。
  • 戦後日本の集団的記憶との関連
    → 急速に失われつつある“日本の原風景”の中に、現代人の理解できない存在が潜むという構造は、都市化や核家族化への無意識的な不安の投影とも考えられている。

🗺️出現地点

地域場所特徴
山形県田んぼ午前中に揺れていた白いもの
秋田県川辺子供のみが見た後、熱を出す
茨城県山沿いの田畑白くてひょろ長い、異様に揺れる動き
岐阜県山中の棚田大人には見えない、弟だけが混乱
熊本県山間部村の迷信として「見たらだめ」と語り継がれる

📎関連リンク・参考資料

  • 「洒落にならない怖い話」スレ
  • 『日本怪異妖怪大事典』
  • 『裏世界ピクニック』宮澤伊織(早川書房)
  • 『ダンダダン』龍幸伸(集英社)

💬編集者コメント・考察

「くねくね」は、時代や技術の進化とともに形を変えながら語り継がれている“ネット生まれの新たな怪異”である。ビジュアルが明確でないからこそ、想像の余白が恐怖を増幅させる点も興味深い。

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