🧠セルポ計画とは?
「ターボババア」は、日本の都市伝説に登場する怪異で、信じられないほどの速度で移動する老婆として知られている。
別名「100キロババア」「ジェットババア」などとも呼ばれる。
若者や深夜の帰宅者を突然猛スピードで追いかけ、バイクと並走することすらあるという描写も。
その恐怖とインパクトから、インターネット黎明期のホラースレッドなどで一躍有名となった。
「信号を待っていたら、道路の向こうからものすごいスピードで婆さんが走ってきた」
このような体験談が2ちゃんねる(現・5ch)などで語られ、後に都市伝説として定着していきました。
🕒 ターボババア:タイムライン
年代/時期 | 出来事・展開 |
---|---|
1990年代後半 | 一部の怪談本や都市伝説系ムック本に「猛スピードで走る老婆」の話が断片的に登場。関東圏(主に東京・神奈川)で語られる。 |
2000年頃 | 2ちゃんねる(オカルト板)で「ターボババア」という呼称が広まり、AA(アスキーアート)やコピペ形式でネタ化される。 |
2005年前後 | 「都市伝説を語るスレ」で頻繁に登場。実在の暴走族や走り屋のパロディとしてネタ的存在に。 設定:「原付より速い」「警官より怖い」などが定着。 |
2010年代前半 | Twitterやニコニコ動画、YouTubeなどでも語られるようになり、「都市伝説怪異」として定着。創作怪談や自主映画にも登場。 |
2015年頃 | 都市伝説YouTuberやオカルト系Vtuberが取り上げ、再注目される。 ネットロア(ネット上の民間伝承)として紹介。 |
2021年 | 【転機】人気漫画『ダンダダン』(龍幸伸)にて、ターボババアをベースにしたと思われるキャラクターが登場し、大きな話題に。 「ババア系怪異」のトレンドが再燃。 |
2023年以降 | TikTokやInstagramなどのショート動画で「ターボババア再現」や都市伝説考察動画が人気に。ゲームやアニメでの登場も増加中。 |
▼元ソース(クリックで表示)
『日本現代怪異事典』で渡辺節子編著『夢で田中に振り向くな』に記載された、六甲山で「高速道路に出現し、走る車と四つん這いで並走」する、「背中に「ターボ」と書かれた紙がついている」老婆の怪異を、同様の怪異である「ターボババア」の項目で紹介している。また『夢で田中に振り向くな』には、福岡県で報告された、「灰色の着物」姿で四つん這いで走って自動車を追い、追いつくと車のガラスへ飛びつき横転させる「着物の老人」という老婆の怪異が記載されている
📚出典と派生・類似伝承
🔹元ネタの成立と背景:
- 正確な初出は不明ながら、1990年代後半~2000年代初頭にかけて広がったとされる。
- 明確な原典は不明、「ありえないほど速い老婆に追いかけられた」という恐怖体験が共感と笑いを呼び、ネットでミーム化。
- 明確な妖怪・怪談の伝統に基づかない、インターネット発の都市怪異の一例。
初期の特徴:
- 全速力で走る老婆
- 深夜の通学路や団地、公園などで遭遇
- 声をかける、または追いつかれると災いが起きるという要素がある場合も
▶️ ターボばあちゃん(元祖とされる説)
- 概要:1985年にナムコから発売されたファミコン用ゲームソフト『ワープマン』の敵キャラクター「ターボばあちゃん」が、名称の最古例ではないかとされる。
- 特徴:ゲーム内では高速で移動する敵キャラ。名前のインパクトが強く、のちの「ターボババア」という都市伝説名称に影響を与えた可能性がある。
- 評価:直接の都市伝説発祥とは断定されていないが、「ターボばあちゃん」というワード自体が1980年代から存在していたことを示す重要な証拠。
🔹「追ってくる」系怪異との融合
- 都市伝説「くねくね」や「ひきこさん」などと並んで、「見つかると追われる系」の現代怪異として並列化。
- 若者・学生が被害者になるという点で「口裂け女」とも重なる。
🔹類似伝承・文化的つながり:
- 「口裂け女」や「人面犬」などの昭和都市伝説との系譜にあり、日常に潜む異常存在の恐怖。
- 海外の例では、スレンダーマンやハチェットマンなどの「現代怪異」と似た構造。
🔹ネットミーム化・ギャグ化
- ネット上で「原付ライダー vs ターボババア」「ババアが峠でドリフトしてくる」といったパロディネタが大量に生成される。
- まとめサイトやAA(アスキーアート)文化でも遊ばれるようになる。
🎬メディア登場・現代への影響
🔹『ダンダダン』との関連
- ヤンジャン連載の『ダンダダン』(龍幸伸・著)では、「ターボババア」が第1話のボスキャラとして登場。
- 作中では「超常の存在」として恐怖とギャグのバランスを持って描写され、シリーズの象徴的な存在に。
- ターボババアの狂気じみた疾走感が、『ダンダダン』の世界観と非常に相性が良く、ファンの間で再注目。

🔹その他メディア
- YouTubeやTikTokでパロディ動画・ショートホラーとして使われる。
- pixivやニコニコ静画での創作も多数。
- 『現代妖怪図鑑』系の書籍や漫画で度々取り上げられ、「平成都市怪異」の代表格として扱われる。
🔍考察と文化的背景
- ターボババアは、「老婆=弱者」の先入観を逆手にとった存在。
- 高齢化社会への潜在的不安や風刺として、「速すぎるババア」は世代間のギャップや恐怖の投影とも言える。
- また、昭和・平成の都市部にありがちな「誰もが感じる不安」=夜道、無人公園などが舞台である点で、「身近な恐怖」を象徴。
- ネット発祥であるため、創作と現実の境界が曖昧なまま拡散されたことも特徴的。
主な文化的要素
- ネット都市伝説/ミーム文化
- 怪異(妖怪ではなく「現代怪談」)
- 高齢化・ジェンダー観の風刺
- サブカルチャーとの結合(漫画・ホラー作品)
🗺️出現地点
- 東京都練馬区(ネット上で「目撃情報」とされる噂が集中)THE超常現象2024
- 六甲山高速道路
- 福岡県の自動車道
✅ ターボばあちゃん(練馬区版)
- 出現エリア:東京都練馬区がもっとも語られる。
- 内容:若者が信号待ちをしていたところ、信じられない速さで老婆が駆け抜けていく。
- 特徴:「バイクより速い」「走りながら叫んでいる」といった演出が加えられることも。
✅ 神奈川版・関西版(ローカル派生)
- 神奈川県川崎市や大阪市内などでも類似の証言が流布。
- 一部では「2人組のばあさん」や「杖を持ちながらも異常な速さ」というバリエーションも。
📎関連リンク・参考資料
- 『ダンダダン』(集英社、龍幸伸 著)第1話:「ババア vs 高校生」対決回
- 2ちゃんねる「死ぬほど洒落にならない怖い話」過去ログ
- YouTube「ターボババア考察」
- 書籍『日本のおかしな現代妖怪図鑑』『日本現代怪異辞典』
- pixiv「ターボババア」検索結果:二次創作作品多数
💬編集者コメント・考察
ターボババアは、単なる都市伝説ではなく、「ネット怪異」の原型として今なお進化を続ける存在だ。
『ダンダダン』によって再び脚光を浴び、「怖いけど笑える」「不気味だけど愛される」という不思議なポジションを確立した。
これほどまでにネットとメディア、創作文化を横断した怪異は稀有であり、まさに現代の“妖怪”と呼ぶにふさわしい存在だ。
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