🧠『猿夢』とは?
『猿夢』とは、インターネット上で広まり、多くの読者に衝撃を与えた恐怖の都市伝説である。この話は、恐ろしい夢に関する体験談を描いたもので、夢と現実が交錯し、夢の中で遭遇した恐怖が現実にも影響を及ぼすという独特の恐怖感を持っている。
物語の概要
物語は、ある人物が夢の中で経験する異常な出来事から始まる。主人公は「夢の中にいること」を自覚しており、そのため、夢から覚めることができると信じている。そんな彼が夢の中で訪れた場所は、薄暗い無人駅である。駅に入ると、奇妙なアナウンスが流れ、「まもなく、電車が来ます。その電車に乗るとあなたは恐い目に遭いますよ~」という予告がある。
それでも主人公はその電車に乗り、夢の中での恐怖を楽しもうと決める。電車に乗った主人公は、気味の悪い光景に遭遇する。乗客の顔色が悪く、電車は遊園地にあるお猿さん電車のようなもので、主人公は次々と奇怪な出来事を目撃していく。
最初にアナウンスが「次は活けづくり~活けづくりです」と流れた直後、後ろの席に座っていた男性が小人たちによって無惨に切り裂かれ、内臓を引きずり出されるという恐ろしい光景が展開される。この光景に驚き、恐怖を感じる主人公。しかし、夢だと自覚している主人公は、目を覚まそうと必死に思考する。
その後も次々に過酷なシーンが展開され、「次はえぐり出し~」や「次は挽肉~」といったアナウンスが響き渡り、恐ろしい目に遭う乗客たちの姿が描かれる。最終的に主人公も自分の番が来る前に目を覚まそうと必死に努力する。しかし、その後、目が覚めたと感じた主人公は、現実の世界でアナウンスの声を再び聞くことになる。主人公が目を覚ますと、自分の部屋で目を覚まし、あの恐怖の夢の続きが現実に起こるのではないかという恐怖を抱えることになる。
▼元ソース(クリックで表示)
元ソースは「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?」
9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2000/08/02(水) 07:03
私は夢をみていました。
昔から私は夢をみている時に、たまに自分はいま夢をみているんだと自覚する事がありました。
この時もそうです。何故か私は薄暗い無人駅に一人いました。ずいぶん陰気臭い夢だなぁと思いました。
すると急に、駅に精気の無い男の人の声でアナウンスが流れました。
それは『まもなく、電車が来ます。その電車に乗るとあなたは恐い目に遇いますよ~』と、意味不明なものでした。
まもなく駅に電車が入ってきました。
それは電車というより、よく遊園地などにあるお猿さん電車のようなもので、数人の顔色の悪い男女が一列に座ってました。
私はどうも変な夢だなと思いつつも、自分の夢がどれだけ自分自身に恐怖心を与えられるか試してみたくなり、
その電車に乗る事に決めました。
本当に恐くて堪らなければ、目を覚ませばいいと思ったからです。
私は自分が夢をみていると自覚している時に限って、自由に夢から覚める事が出来ました。12 :まだつづくぞ!:2000/08/02(水) 07:09
私は電車の後ろから3番目の席に座りました。
辺りには生温かい空気が流れていて、本当に夢なのかと疑うぐらいリアルな臨場感がありました。
『出発します~』とアナウンスが流れ、電車は動き始めました。
これから何が起こるのだろうと、私は不安と期待でどきどきしていました。電車はホームを出ると、すぐにトンネルに入りました。
紫色っぽい明かりがトンネルの中を怪しく照らしていました。
私は思いました。
このトンネルの景色は、子供の頃に遊園地で乗ったスリラーカーの景色だ。
この電車だってお猿さん電車だし、
結局過去の私の記憶にある映像を持ってきているだけで、ちっとも恐くなんかないな。とその時、またアナウンスが流れました。
『次は活けづくり~活けづくりです』
活けづくり?魚の?などと考えていると、急に後ろからけたたましい悲鳴が聞こえてきました。
振り向くと、電車の一番後ろに座っていた男の人の周りに、
四人のぼろきれのような物をまとった小人がむらがっていました。
よく見ると、男は刃物で体を裂かれ、本当に魚の活けづくりの様になっていました。
強烈な臭気が辺りをつつみ、耳が痛くなるほどの大声で男は悲鳴をあげつづけました。
男の体からは次々と内臓がとり出され、血まみれの臓器が散らばっています。
私のすぐ後ろには、髪の長い顔色の悪い女性が座っていましたが、
彼女はすぐ後で大騒ぎしているのに、黙って前を向いたまま、気にもとめていない様子でした。
私はさすがに想像を超える展開に驚き、本当にこれは夢なのかと思いはじめ、恐くなり、
もう少し様子をみてから目を覚まそうと思いました。気が付くと、一番後ろの席の男はいなくなっていました。
しかし、赤黒い血と、肉の固まりのようなものは残っていました。
後ろの女性は相変わらず無表情に一点をみつめていました。
『次はえぐり出し~えぐり出しです』とアナウンスが流れました。
すると今度は二人の小人が現れ、ぎざぎざスプーンの様な物で、後ろの女性の目をえぐり出し始めました。
さっきまで無表情だった彼女の顔は、痛みの為ものすごい形相に変わり、
私のすぐ後ろで鼓膜が破れるぐらい大きな声で悲鳴をあげました。
眼から眼球が飛び出しています。血と汗の匂いがたまりません。私は恐くなり、震えながら前を向き、体をかがめていました。
ここらが潮時だと思いました。これ以上付き合いきれません。
しかも順番からいくと、次は3番目に座っている私の番です。
私は夢から覚めようとしましたが、自分には一体どんなアナウンスが流れるのだろうと思い、
それを確認してからその場から逃げる事にしました。13 :これで最後だ:2000/08/02(水) 07:11
『次は挽肉~挽肉です~』とアナウンスが流れました。
最悪です。どうなるか容易に想像が出来たので、神経を集中させ夢から覚めようとしました。
夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ。
いつもはこう強く念じる事で成功します。
急に「ウイーン」という機械の音が聞こえてきました。
今度は小人が私の膝に乗り、変な機械みたいな物を近づけてきました。
たぶん私をミンチにする道具だと思うと恐くなり、
夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ、と目を固くつぶり一生懸命に念じました。
「ウイーン 」という音がだんだんと大きくなってきて、顔に風圧を感じ、もうだめだと思った瞬間に静かになりました。なんとか悪夢から抜け出す事ができました。
全身汗でびしょびしょになっていて、目からは涙が流れていました。
私は寝床から台所に行き、水を大量に飲んだところでやっと落ち着いてきました。
恐ろしくリアルだったけど、所詮は夢だったのだから、と自分に言い聞かせました。次の日、学校で会う友達全員にこの夢の話をしました。
でも、皆は面白がるだけでした。所詮は夢だからです。それから4年間が過ぎました。大学生になった私はすっかりこの出来事を忘れ、バイトなんぞに勤しんでいました。
そしてある晩、急に始まったのです。
『次はえぐり出し~えぐり出しです』
あの場面からでした。私は「あっ、あの夢だ」とすぐに思いだしました。
すると前回と全く同じで、二人の小人があの女性の眼球をえぐり出しています。
やばいと思い、夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ、とすぐに念じ始めました・・・
今回はなかなか目が覚めません。
夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ・・・
『次は挽肉~挽肉です~』
いよいよやばくなってきました。「 ウイーン 」と近づいてきます。
夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ、覚めてくれ。ふっと静かになりました。
どうやら何とか逃げられたと思い、目をあけようとしたその時、
『また逃げるんですか~次に来た時は最後ですよ~』と、あのアナウンスの声がはっきりと聞こえました。
目を開けると、やはりもう夢からは完全に覚めており、自分の部屋にいました。
最後に聞いたアナウンスは、絶対に夢ではありません。現実の世界で確かに聞きました。
私がいったい何をしたと言うのでしょうか?それから現在まで、まだあの夢は見ていませんが、
次に見た時にはきっと、心臓麻痺か何かで死ぬと覚悟しています。
こっちの世界では心臓麻痺でも、あっちの世界は挽肉です・・・
📚出典と派生・類似伝承
『猿夢』は、インターネット上で発表された都市伝説の一つであり、特に1999年から2000年にかけて流行した「死ぬほど洒落にならない怖い話」シリーズに登場する。このシリーズの影響で、多くの都市伝説が生まれ、またそれらがネット掲示板を通じて広まり、後のネット文化に多大な影響を与えた。
『猿夢』に類似した夢に関する都市伝説には、「死後の世界の夢」や「恐怖のループに閉じ込められる夢」などが存在する。これらの話は、主に人間の死後の世界や無意識の恐怖に対する恐れを反映している。特に「挽肉」のシーンや「目をえぐり出す」という恐怖描写は、視覚的なインパクトを与え、読者や視聴者の深層心理に影響を与えている。
🎬メディア登場・現代への影響
『猿夢』は、都市伝説として広まった後、インターネット文化に深く浸透した。さらに、この話はインディーズの映画や短編アニメ、さらにはネットのショートフィルムに影響を与えることになった。特に「明晰夢」を題材にした作品や、夢の中で現実と非現実が交錯するテーマを持つ作品に『猿夢』の影響を見ることができる。
『猿夢』のテーマは、夢と現実の境界が曖昧になることで知られる作品『インセプション』や『ドリームハウス』などの映画にも共通点があり、これらの映画は深層心理や夢の中での恐怖を扱っている。また、ゲーム『サイレントヒル』シリーズや『バイオハザード』シリーズに見られるような、現実と夢、または恐怖の世界が入り混じるシナリオとも関連している。
🔍考察と文化的背景
『猿夢』が描く「夢」と「現実」の交錯は、古代から人間の恐怖や興味を引きつけてきたテーマである。夢はしばしば私たちの潜在意識を映し出す鏡とされ、夢の中で起こる恐怖や危険は、日常生活での不安や抑圧された感情を反映していると考えられている。特に、目が覚めない、もしくは覚めてもそれが現実ではないかという不安は、私たちが眠りと現実の境界線に対して持つ深層心理的な恐れを反映しているとも言える。
また、『猿夢』は悪夢に関する文化的な背景を反映しており、悪夢の中で感じる無力感や恐怖は、私たちの深層心理における存在的な不安や死への恐れとも関連している。
🗺️出現地点
『猿夢』は、1990年代末から2000年代初頭にかけて、日本のインターネット掲示板を中心に広まり、特に「死ぬ程洒落にならない怖い話」シリーズに掲載されたことがきっかけで、多くの読者に知られるようになった。このシリーズは、当時のインターネット文化と恐怖話の流行の一部として、掲示板やブログで多くの人々に共有されていた。
📎関連リンク・参考資料
💬編集者コメント・考察
『猿夢』はその恐怖描写と夢の中での悪夢のループに閉じ込められる感覚が、視覚的にも精神的にも非常に強烈だ。物語が進行するごとに不安と恐怖が増していき、最終的には夢と現実の境界が崩れ始めることで、読者はより深い恐怖に巻き込まれる。この作品は、都市伝説や現代ホラー作品がどのようにして現代の文化に影響を与えたかを考える上で非常に重要な一作であるといえるだろう。
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