🧠ピッピは宇宙人だった!?とは
初代ポケモン『赤・緑』に登場する「おつきみやま(Mt. Moon)」は、ゲーム序盤に訪れる洞窟エリアである。この地で出現するポケモンの中でも、「ピッピ」は特異な存在である。
ピッピは「月の石」で進化し、夜な夜な月の光の下で踊るという設定を持っている。
こうした特徴から、あるファン理論が生まれた。それが「ピッピは宇宙からやってきた異星人であり、月の石山を侵略・植民地化した」という説である。
この都市伝説は単なるネタではなく、公式設定やアニメ描写、ゲーム内演出との符合点が多く、考察のしがいがある。とくに『ポケットモンスター 赤・緑』以降の作品群やメディア展開により、この説は一定の支持を集めてきた。
💀ピッピの“侵略”と化石ポケモンの誕生説
この都市伝説にはさらにショッキングな拡張が存在する:
「ピッピたちは宇宙からやってきて月の石山を占拠。そこにいた原住ポケモンたちを排除し、死骸は化石として残った。」
この一文が物議を醸している。
特に『赤・緑』ではおつきみやま(Mt. Moon)でカセキポケモン(オムナイト・カブトなど)の化石を入手するイベントがあるため、
- 「あの化石=ピッピの侵略によって滅ぼされた原住民の名残」
- 「おつきみやま(Mt. Moon)そのものが“戦場跡”なのでは?」
という解釈がなされている。
また、『ポケモン レッツゴー!ピカチュウ/イーブイ』では、ピッピの出現頻度が高くなっており、“繁殖”と“定着”の痕跡とも捉えられている。
🧬ピッピの正体に関する図鑑の記述
- ポケモン銀版:「月の光を浴びながら踊る。月に帰るという言い伝えがある」
- ポケモン剣版:「集団で月の光の下で踊る。不思議な力が働く」
- ポケモンLet's Go ピカチュウ/イーブイ:「夜な夜な月の光に惹かれて姿を現す」
これらはすべて、「地球外生命体が母星のエネルギー(=月光)を求めて行動する」という解釈を裏付けている。
🔄類似伝承と派生説
- スターミー=宇宙人説:背中のコアが宇宙電波を受信しているとされる
- ビリジオン=宇宙からの刺客説:突如出現した伝説ポケモン
- ナゾノクサ=地球に適応した外来植物説
- 「ウルトラビースト」=宇宙・異次元からの侵略者という公式設定
ピッピが「宇宙からの侵略者」としてポケモン世界に定着しているという説は、後年登場する「ウルトラビースト」との先駆的共通点を持っている。
📚出典と派生・類似伝承
この説の発祥は明確ではないが、2000年代中盤に登場した英語圏のファンサイト(特にRedditやPokémon Theory系ブログ)で議論され始めたとされている。
とくに以下の資料やメディアが、この説の拡散・定着に貢献している。
- TheGamer: 20 Really Creepy Pokémon Fan Theories That Totally Make Sense
- YouTube: 「Clefairy is an Alien!?」
- 『ポケモン図鑑』各バージョンの記述(後述)
🔭主な根拠・根本的要素
- ピッピの進化に「月の石」が必要
- ポケモン世界で月の石と結びついている種族は極めて少数。その代表格がピッピ系統である。
- アニメ版『ポケモン』での描写
- 初期のアニメで「ピッピがUFOに乗って宇宙に帰る」ような描写があり、制作者側も宇宙人テーマを意識していた可能性が高い。
- 「おつきみやま(Mt. Moon)」のネーミング
- 明らかに“宇宙人”や“月”を意識したロケーション名。
- デオキシス(Deoxys)=宇宙ウイルスという公式設定
- ポケモン世界には実際に“宇宙起源の生命体”が存在する前例がある。
- よって、ピッピが宇宙人であっても不自然ではない。
🎬メディア登場・現代への影響
ピッピ宇宙人説は、アニメ『ポケットモンスター』初期において間接的に描写されている。
特に印象的なのが、第6話「ピッピとつきのいし」である。ここでは、ピッピたちがUFOに乗って地球外へ戻るという描写がなされ、制作サイドが宇宙的なバックストーリーを意識していたことが窺える。
また、後年のゲーム作品では以下のような演出が存在する:
- 『ポケモン Let's Go! ピカチュウ・イーブイ』:月の石山でのピッピ大量出現
- 『ポケモン剣・盾』:ピッピのムーンフォース演出が「月からの力」を意識
- 『ポケモンユナイト』などスピンオフでの“神秘的”キャラ付け
🔍考察と文化的背景。
この都市伝説の面白さは、日本の妖怪・異界信仰と、SF的宇宙観が融合している点にある。
- ピッピは「月」「石」「集団儀式(踊り)」という神秘性・民俗性の高い要素を備えており、古代信仰における“月の民”や“異界からの来訪者”と重なる。
- 同時に、アニメのUFO描写やデオキシスの存在からは、近代以降の宇宙人信仰・アブダクション系神話との接点が見られる。
また、月の石山の化石イベントと「ピッピによる原住ポケモンの排除」という説は、植民地主義的な構造や神話的侵略物語と解釈することもできる。
これは、単なる“ポケモンのかわいい雑学”にとどまらず、深い文化的レイヤーを持つ都市伝説である。
🗺️出現地点
おつきみやま(Mt. Moon)|カントー地方
『ハートゴールド/ソウルシルバー』
- 初出:『ポケットモンスター 赤・緑』(1996)
位置:ニビシティとハナダシティの中間
特徴:
- ピッピのレア出現
- 月の石の入手
- 化石イベント(カブト or オムナイト)
近年作品での再登場:
- 『Let's Go ピカチュウ/イーブイ』
📎関連リンク・参考資料
- TheGamer:20 Really Creepy Pokémon Fan Theories
- 📖 アニメ「ピッピとつきのいし」(公式ポケモンチャンネル)
- 📖 Bulbapedia: Clefairy (Pokémon)
💬編集者コメント・考察
「ピッピ=宇宙人説」は、冗談に聞こえるが、作中の描写や設定を丹念に読み解いていくとむしろ“意図されていた可能性”の方が高いとすら思える。
また、これは単なる陰謀論ではなく、「ポケモン世界の裏神話的構造を垣間見るレンズ」とも言える。
こうした都市伝説が愛される理由は、ただの怪談ではなく、創作と読解の中間にある“解釈の自由”を楽しめる点にあるのだ。
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